
『鬼滅の刃』に登場する「鎹鴉(かすがいがらす)」の名前を一覧にまとめました。
- 鎹鴉とは
- 鎹鴉の名前のつけ方
- 隊士たちの鎹鴉の名前
- 担当声優さん
- 名前の由来(考察)
- 命名者(考察)
辞書がわりにご利用いただければ幸いです。
- 原作最終巻までの内容を含んでいます。ネタバレにご注意!
- この記事は原作・アニメ・公式ファンブックの情報を参考にしています。
- 声優さんについては未確定の情報もございますので、判明次第、修正いたします。
- 筆者の個人的な解釈や考察も含まれています。一ファンの解釈としてお楽しみください。
- 【2026年7月30日】伊之助・義勇「鴉」の声優さんが確定したため、(※調査中)を削除しました。出典は『無限城編第一章』円盤の特典「制作回顧録」。
- 最終更新日:2026年7月30日
【鬼滅の刃】鎹鴉とは?漢字から探る由来

『鬼滅の刃』に登場する隊士たちのお供、鎹鴉(かすがいがらす)。
- 任務の伝令
- 鬼の居場所捜索
- 訃報の伝達
- 手紙の配送
- 鬼についての豆知識共有
など、隊士たちが任務を遂行したり、誰かとコミュニケーションするうえで欠かせない存在となっています。
鎹鴉の由来は?

「鎹鴉」は「鎹」と「鴉」のふたつの漢字で構成されていますね。
「鎹」とは本来、木材をつなぐために使用される釘のことを指します。
釘の両端が「コ」の字に曲がっていて、それをふたつの木材に打ち込んで使用するそうです。
このことから「鎹」は
二つのものをつなぐはたらきをするもの
(出典:漢字ペディアさま)
と表現されています。
みなさんは「子は鎹」ということわざを聞いたことはありませんか?
これは「子どもが夫婦の仲を取り持つ」という意味になるんですねぇ。
つまり『鬼滅の刃』における鎹鴉は、
- 隊士同士
- 隠同士
- 隊士と隠
- お館様と隊士・隠たち
のように人間たちの情報をつなぐ役目を担っているのです。
なぜ「烏」ではないのか?

次は「鴉」という漢字に着目してみましょう。
みなさん、カラスと聞いて最初に思い浮かべる漢字は何ですか?
鬼滅にどっぷり浸かっている私でさえも、「烏」のほうを思い浮かべます(笑)
そう、多くの方は「烏」のほうに馴染みがありますよね。
そもそも「烏」は象形文字から出来た漢字だといわれています。
象形文字は物の形をかたどってできた漢字です。
「日」は太陽の形、「月」は三日月の形からかたどっています。絵文字から発展していき、今の「日」や「月」の漢字になっていますね。
その他にも「山、川、口、魚、木」などの漢字も象形文字になります。
(出典:個別指導WAMさま)
中国の古代王朝である「殷」の時代、動物の骨などに甲骨文字が刻まれたことが、その起源とされています。
つまり「象形文字」が漢字の第一号だったわけです。
古代からカラスといえば「烏」だったんですね~
ちなみに「烏(カラス)」は「鳥(トリ)」に非常によく似ています。
これは以下の理由によるものです。
「鳥(とり)」にあって「烏(からす)」にない上部の横棒は、もともと目を表す部分だったそうです。
しかし、カラスの体は真っ黒ですから、通常の鳥と比べると目の位置が非常に分かりづらいのです。そのため、「鳥」にはある目の部分の横棒がなくなり、「烏」という漢字になったと言われています。
(出典:ニッポン放送NEWS ONLINE さま)
ところが、時代が進むにつれて「象形文字」だけでは言葉をあらわすことができなくなってきました。
そこで作られたのが「形声文字」です。
形声文字とは、「意味を表す部分」と「発音を表す部分」を組み合わせてできた漢字のことです。
(出典:個別指導WAMさま)
難しいほうの漢字「鴉」は形声文字とされています。
つまり「鴉」は
- 意味をあらわす部分:鳥
- 発音をあらわす部分:牙
のように分解できるのです。
ちなみに「烏」だけで十分にカラスを表現できるのに「鴉」という漢字ができた理由は不明だそうです(笑)
ただ現在ではなんとなく、以下のように使い分けられています。
- 動物としてのカラス→烏
- 文学的・詩的な表現→鴉
『幽遊白書』の「鴉」も難しいほうの漢字なので、表現の場では「鴉」が使われやすいのでしょうね~
では『鬼滅の刃』の話にもどりましょう。
なぜ『鬼滅の刃』の世界では「烏」ではなく「鴉」を使用するのでしょうか?
これまでの説明をもとにすると「文学的・詩的な表現」にしたかったから、と理由づけることができます。
ただ、個人的にはもう少し踏み込んでおきたいな…と思い、以下の考察を付け加えます。
『鬼滅の刃』の鎹鴉は、まるで人間のように言語をあやつりますよね?
つまり
- しっかりしゃべる
- カーカー鳴いて危険を知らせる
このあたりの意味を形声文字「鴉」の発音部分「牙」に含めたかったのではないでしょうか?
しかも原作で明かされているとおり、彼らは速記文字まで習得しているハイパー有能集団です。
速記文字を読めるカラスなので「目の位置がわからない」というネガティブな意味を持つ「烏」という漢字を避けたかったのかもしれませんね。
鎹鴉の寿命は?カラスはどれくらい生きる?

カラスの平均寿命って、みなさん気にしたことありますか?
実はカラスって長生きするんですって!
以下、くらしのレスキュー様より引用させていただきました。
公園や街路などで見かけやすい「ハシボソガラス」や「ハシブトガラス」の平均寿命は、約7~8年であるといわれています。
さらに、命を落とす危険が少なくて健康的に生活しやすい飼育環境下での平均寿命は、約20~30年となっています。なかには飼育下で60年生きたコクマルガラスという、小柄な体を持つカラスも存在していたという記録もあります。
(出典:EPARKくらしのレスキューさま)
鬼殺隊では食事も寝床も与えられていたでしょうから、20~30年生きている鎹鴉がいるのかも…?
鎹鴉の命名ルールを整理しよう!

鎹鴉にはそれぞれ個性的な名前がついています。
多くの場合は鴉のパートナーである隊士が命名するようですが、なかには自分で名前を決める猛者も!(笑)
ということで、この章では鎹鴉の命名ルールを整理しておきます。
まずは以下の図をご覧ください。

公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐(以下、FB2)』の情報をもとに作成してみました。
鎹鴉の名前は、次の3つのステップで決まると考えられます。
- 生まれたとき
- はじめて隊士についたとき
- 次の隊士についたとき
それぞれ解説します。
1. 生まれたとき

鎹鴉が生まれてすぐ、お館様が名前をつけてくれます。
それが「幼名」と呼ばれる名前です。
一般的にカラスは孵化してから1か月で巣立ちするらしく、幼少期という短い期間に、鬼殺隊士につくための英才教育を受けているものと思われます(笑)
まあ個体差はあるので、全部が1か月で
ハイ、いますぐ隊士につきなさい!
とはならないのでしょうけどね(笑)
ちなみに飛ぶのが速い鴉は強い隊士につくそうです。
最終選別の結果(どの程度、鬼を倒したか)で、相棒が決まるのかもしれませんね!
2. はじめて隊士についたとき

さて、言葉や速記文字などの英才教育を受けた鎹鴉たちは、最終選別を突破した隊士たちのもとへ派遣されます。
ここから先は3つのパターンに分かれます。
- ①隊士が命名
- ②幼名を使用
- ③自分で命名
FB2に書かれている文章のニュアンスから察するに、「①隊士が命名」がいちばん多そうです。
隊士が命名しなければ、②幼名をそのまま使用します。
ただし自己主張の激しい一部の鴉は「天王寺松右衛門」のように③自ら名乗っています(笑)
3. 次の隊士についたとき

- 隊士が亡くなったとき
- 隊士が引退したとき
などは、別の隊士につくことがあるそうです。
その場合は、前の隊士がつけてくれた名前を尊重して、そのまま名乗ることが多いそうです。
隊士・柱たちの鎹鴉の名前一覧|由来・命名者・声優まとめ

ここからはFB2に出ている鎹鴉の名前を一覧でご紹介します。
基本的には公式FBと原作の情報からまとめていますが、名前の由来・命名者については筆者個人の考察を含みますので、濃いピンク色★にて記載します。
参考程度にお楽しみください。
- 天王寺松右衛門(竈門炭治郎)
- うこぎ(我妻善逸)
- どんぐり丸(嘴平伊之助)
- 五十鈴(栗花落カナヲ)
- 榛(不死川玄弥)
- 寛三郎(冨岡義勇)
- 艶(胡蝶しのぶ)
- 要(煉獄杏寿郎)
- 虹丸(宇髄天元)
- 銀子(時透無一郎)
- 麗(甘露寺蜜璃)
- 夕庵(伊黒小芭内)
- 爽籟(不死川実弥)
- 絶佳(悲鳴嶼行冥)
- お館様の鴉(産屋敷耀哉)
01: 天王寺松右衛門(竈門炭治郎)

- 名前:天王寺松右衛門(てんのうじまつえもん)
- 性別:オス
- 声優:山崎たくみさん
- 隊士:竈門炭治郎
- 由来:工楽松右衛門、四天王寺★
- 命名者:本人(公式情報)
藤襲山で行われた「最終選別」を突破した炭治郎のもとにやってきた鴉。
公式ファンブック『鬼殺隊見聞録(以下、FB1)』には「(名前は)本人がつけた」と明記されています。
主人公の鎹鴉なので、出番がいちばん多い子です。
自己主張が激しく、炭治郎への当たりが強かったり、「鳥頭」と表現したり…(笑)
ちょいちょい荒っぽいところが見受けられますが、根は優しく炭治郎のことを心配しています。
『無限城編 第一章』では、珍しく「死ヌンジャネェゾ、炭治郎」と名前を呼んで心配していましたね!
ただ、相性の悪い鴉もいて、
- 無一郎くんの鴉(銀子)
- 玄弥くんの鴉(榛)
とは、顔を合わせたら罵りあいに近いバトルを繰り広げています(笑)
由来については公式に明記されていないため、筆者にて考察しました。
徳川吉宗が将軍を務めていた時代、「工楽松右衛門(くらくまつえもん)」という技術者・実業家がいました。
彼は現在の兵庫県高砂市で生まれ、港湾整備などで数々の功績を残した人物です。
その功績をたたえて、高砂神社に銅像が建立されました。
ここまでの流れでみなさんは
あれ?鎹鴉の名前と何の関係があるの?
と思われるかもしれませんが…実はこの高砂神社には「相生の松」についての伝説があります。
「相生の松」とは、1本の根から2本の幹に分かれた松のこと。
その松には尉(じょう)と姥(うば)の姿となったイザナギ・イザナミが宿り、夫婦のあり方を説いたと伝えられています。
イザナギ・イザナミは「国産み」「神産み」で知られる神様です。
そして、その「神産み」のなかで生まれた神様のひとりが、かの有名な天照大御神(アマテラス)。
天照大御神は一般的に「太陽神」とされています。
ここで私はどうしても「ヒノカミ神楽」や「日の呼吸」を連想しちゃうんですよね
もちろん原作では明言されていません。
ただ「工楽松右衛門」という名前から高砂神社を調べていくと、そこには「相生の松」の伝説があり、イザナギ・イザナミ、天照大御神へと話が流れていくため、どうしても炭治郎とのつながりを感じたくなります。
飛躍しすぎでしょうか?
まあ考察という名の妄想なので、ゆる~くお付き合いください(笑)
さてお次は苗字の「天王寺」に着目してみましょう。
私は関西の人間なので「天王寺」と聞くと阿倍野エリアを連想してしまいます…が。
ワニ先生が設定を作るなら、おそらく四天王寺だろうな~
と思ったので、そこを深掘りしてみますね!
大阪市にある四天王寺は聖徳太子が建立した由緒あるお寺。
そのご本尊は救世観音(ぐぜかんのん)菩薩です。
救世は「人々を世の苦しみから救うこと」
(出典:Wikipedia)
とされており、ここから鬼殺隊の「人々を鬼の脅威から救うこと」を連想できます。
鎹鴉である天王寺松右衛門は鬼殺隊士のように鬼の頸を直接斬ることができません。
ただ、自ら「天王寺」と名乗ることで
自分も鬼殺隊の一員として隊士たちを支える
という覚悟をあらわしているのかもしれませんね!
02: うこぎ(我妻善逸)

- 名前:うこぎ(チュン太郎)
- 性別:オス
- 声優:石見舞菜香さん
- 隊士:我妻善逸
- 由来:うこぎご飯(アニメ公式情報)
- 命名者:お館様★
藤襲山で行われた「最終選別」を突破した善逸のもとにやってきたスズメ。
鎹鴉界の「紅一点」ならぬ「スズメ一点」です(笑)
え? 鴉? これ雀じゃね?
(『鬼滅の刃』2巻8話「兄ちゃん」より)
初見で善逸がおどろくのも、無理もないですよね(笑)
ですが、うこぎには事情がありました。
うこぎも炭治郎たちと同様に、鬼に家族を殺されていたのです。
もちろん、体の小さな自分には鬼を倒すことはできません。
しかし「少しでも鬼を倒す力になれたら…」と伝令役に志願しました。
鎹鴉のように日本語を操ることはできませんが、嗅覚の鋭い炭治郎には、ある程度意思が通じるようです。
善逸ともまったく意思疎通が図れないわけでもなくて、特に怒っている(注意している)ときは、ニュアンスが通じているみたいです(笑)
一方、彼の一生懸命さが仲間には伝わっているのか、
鴉たちから非常に可愛がられています
(公式ファンブック『鬼殺隊見聞録』)
と記載されています。
天王寺松右衛門とはじめて出会ったときにも、松右衛門がうこぎの話を聞いてあげているような絵でしたね!
鳥同士では話が通じるみたいですね~!
名前の由来は植物の「ウコギ」です。
「タラノキ」や「ウド」と同じくウコギ科に属しています。
岐阜県森林研究所さまの情報によると、
ウコギに限らずコシアブラ、タラノキ、ハリギリ、ウドなどのウコギ科植物(図-2)は、いずれも新芽や若葉を天ぷらや揚げ物、煮物にします。特に新芽は香気とやや苦みがあり、熱湯でゆでてあくを抜きゴマや酢味噌であえると美味しくいただけます。ゆでたものにうすく塩味を付けてご飯と混ぜ、ウコギ飯にすると季節を感じさせます。
(出典:岐阜県森林研究所さま)
とあるように、主に山菜として食べられる植物ですね。
山形県の米沢地方はウコギの栽培に適した気候で
江戸時代、上杉鷹山公が「トゲがあるため防犯にもなり、一方で非常食としても利用できる」と、垣根として推奨したことから、この地域でのうこぎの植栽が始まった
(出典:おいしい山形さま)
と伝えられています。
防犯と非常食の両輪で栽培を検討するとは…頼りがいのあるお殿様ですねぇ!
うこぎは、ウコギの若葉を使って炊いた「うこぎご飯」が好物で、そこからこの名前がつけられました。
アニメ「立志編」第15話の「大正コソコソ噂話」(予告)では、うこぎご飯が大好物であることが語られています。
うこぎご飯が好物=「うこぎ」なので、本人が名前をつけたというより、お館様がつけてくれたんじゃないかな?と私は推測しています。
03: どんぐり丸(嘴平伊之助)

- 名前:どんぐり丸(どんぐりまる)
- 性別:オス
- 声優:島田敏さん(出典:制作回顧録)
- 隊士:嘴平伊之助
- 由来:ドングリ★
- 命名者:嘴平伊之助★
藤襲山で行われた「最終選別」を突破した伊之助にあてがわれた鎹鴉。
原作5巻の余白ページにて
十八回くらい伊之助に食べられそうになったので、ずっと隠れているらしいよ
(『鬼滅の刃』5巻の余白ページより)
と書かれているとおり、彼の前に姿をあらわすと食料だと認識されるため、常に隠れているそうです。
不憫すぎる…(笑)
そんな彼ですが、FB2で「優秀」と明記されています。
遊郭編で戦闘がはじまった際、天王寺松右衛門とうこぎは
「マダカ マダカ 柱ハ!!」
「チュン! チュン!(善逸が未だに行方不明だと思っている)」
(『鬼滅の刃』10巻の余白ページより)
と大慌てだったのに対し、どんぐり丸は地下空間へと向かった伊之助に、ちゃんと張り付いていたそうです。
『無限城編第一章』では伊之助に追われて苦労していましたが(笑)
そんな過酷な状況でも、伊之助とともに任務を遂行する姿は、頼もしいかぎりです。
実はドングリはイノシシの大好物!
イノシシの大好物はドングリです。秋にタップリとドングリを食べて脂肪を蓄え、冬を乗り切ります。
(出典:エコナビ様)
赤ちゃんのころからイノシシのもとで育った伊之助は、大量のドングリを食べて生活してきたのでしょうね!
このことから、鎹鴉に「どんぐり丸」と名付けたのは伊之助であることがわかりますね。
一目見た瞬間、ドングリみたいに美味しそうだと思ったのかも…
やっぱり不憫だなぁ(笑)
04: 五十鈴(栗花落カナヲ)

- 名前:五十鈴(いすず)
- 性別:メス
- 声優:ー
- 隊士:栗花落カナヲ
- 由来:神宝の五十鈴★
- 命名者:お館様★
藤襲山で行われた「最終選別」を突破したカナヲにあてがわれた鎹鴉。
最終選別以降、原作・アニメともに「これが五十鈴だ!」と判断できるシーン(材料)がないため、最後まで声がつかないままなのではないか?と推測しています。
FB2では
感情表現の乏しい栗花落隊士を、密かに心配している
(公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』)
と記載されており、カナヲちゃんのことを陰ながら見守っているようです。
カナヲちゃんの鎹鴉「五十鈴」は、お館様から名付けられた「幼名」をそのまま使っているのではないか?と考えました。
というのも、カナヲちゃんは隊士になりたての頃、自分の意志で物事を決めることが苦手でしたからね。
「名前をつけたい」と考えることも、名前の候補を思いつくことも、なかったと思います。
あなた、名前は?
五十鈴
みたいなやり取りで、そのまま過ごしているのかな~?(笑)
さて、この「五十鈴」ですが、奈良県天川村にある天河大辨財天社の神宝「五十鈴」がモチーフではないか?と私は考えています。
五十鈴は「天岩戸(あまのいわと)神話」に登場する鈴です。
公式サイトでは、次のように説明されています。
天照大御神が天岩屋戸にこもられたとき、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が、ちまきの矛(神代鈴をつけた矛)をもって、岩屋戸の前にて舞を舞われ、神の御神力と御稜威をこい願われたことによって、岩屋戸が開かれ、天地とともに明るく照りかがやいたという伝承に登場する、天宇受売命が使用した神代鈴と同様のものであると伝えられています。
(出典:天河大辨財天社さま)
ざっくり言うと、
- 天照大御神が岩戸に隠れる
- 世界が暗闇になる
- 天宇受売命が舞を舞う
- 天照大御神が外に出て世界に光が戻る
こんな感じ。
どうやらこの五十鈴は3つの鈴で構成されていて、それぞれ
- いくむすび(生魂)
- たるむすび(足魂)
- たまずめむすび(玉留魂)
と呼ばれており、魂の状態をあらわしているそうです。
・いくむすび:万物を生み出すいきいきとした生命力の状態
・たるむすび:働きが満ち溢れて(充足している)状態
・たまずめむすび:全体が統一され一体になる魂の状態
(出典:トラベル.jpさま)
私はこの「魂の状態」という部分が、カナヲちゃんに通じると思いました。
カナヲちゃんはもともと心の声の小さい女の子です。
自分の意見を言うことはおろか、自分の意志を持つことすらできない状態でした。
ですが、胡蝶姉妹や蝶屋敷の面々、それから炭治郎たちとの交流が増えることで、彼女の心の声はしだいに大きくなっていきます。
いままで「生み出すこと」や「満ち足りること」の大切さに気付かなかった彼女が、鬼殺隊のみんなのおかげで魂の進化に目覚める──そして、安定した魂の持ち主になる。
そういった部分がこの「五十鈴」にこめられているのではないでしょうか?
05: 榛(不死川玄弥)

- 名前:榛(はしばみ)
- 性別:オス
- 声優:中尾隆聖さん
- 隊士:不死川玄弥
- 由来:植物のハシバミ★
- 命名者:お館様★
藤襲山で行われた「最終選別」を突破した玄弥にあてがわれた鎹鴉。
初期の玄弥くんはヤンチャだったこともあり、榛はしょっぱなから殴り飛ばされています。
どんぐり丸とは別の意味で不憫…
殴り飛ばされた榛を、善逸が介抱しているのがいいですよねぇ
しかし柱稽古編で再登場した榛は、玄弥くんと同じくらいヤンチャでした(笑)
炭治郎の鎹鴉・天王寺松右衛門と罵りあいをするくらい、強烈なキャラだったのです。
「シネ」(CV・山崎たくみ)
「オマエガナ」(CV・中尾隆聖)
(『鬼滅の刃』16巻より)
鎹鴉も一羽一羽、性格がちがうよね(笑)
以降の原作では登場しないため、アニメもこれが最後ではないかと思います。
中尾隆聖さん、アフレコ一瞬だったっておっしゃってましたね(笑)
さて「榛」とは植物の「ハシバミ」のことを指します。
以下、『庭木図鑑 植木ペディア』さまの解説が非常にわかりやすいので、引用させていただきます。
ハシバミという名前は、葉に皺がある実を意味する「葉皴み実」、果実が針状であることを意味する「針柴実」、鳥が嘴で食む(はむ)ことに由来する「嘴喰」などが転訛したものとされる。
(出典:庭木図鑑 植木ペディアさま)
私はこのなかで特に
鳥が嘴で食む(はむ)ことに由来する「嘴喰」
が玄弥くんのイメージに近しいと感じました。
そもそも榛は鴉ですし、嘴(くちばし)でエサをついばむ動物です。
それに、玄弥くんは鬼を喰うことで一時的に鬼の能力を使える特異体質の持ち主。
五感組のなかでも「味覚」つまり「食べること」に意識を置いたキャラクター。
もちろん玄弥くんに嘴はありません。
ただ、強靭な歯と咬合力で鬼の体を食いちぎる様子は「嘴喰」に重なるような気がしました。
さらに、ハシバミについては次のような説明も書かれていました。
・葉は長さ6~12センチの広い卵形あるいは円形で、枝から互い違いに生じる。葉の先端は急に尖り、縁に不揃いのギザギザがあるため左右非対称になりやすい。同じような葉を持つニレ科のオヒョウにちなんで、オヒョウハシバミという別名がある。
・葉は質が薄くて葉脈が目立ち、表面は緑色。裏面は短毛があって緑白色だが、若葉には時折、紫の斑点模様ができる。ハシバミは枝分かれが多く、内部が見えないほど枝葉が繁茂する。
(出典:庭木図鑑 植木ペディアさま)
これを読んだとき、私は思わず
不死川兄弟っぽい!
と思ったんですよねぇ(笑)
- 葉にギザギザがある
- 葉の表面は緑色(実弥の呼吸の色を連想)
- 若葉には紫の斑点模様(玄弥のイメージカラーを連想)
このあたりが、不死川兄弟のイメージにどこか重なる気がします。
特に「若葉」には、子どもや弟妹のイメージがあります。
強くなって柱になりたい
と願いながら成長していく玄弥くんの姿が、どこかハシバミの葉に通じるなぁと感慨深くなりました。
ちなみに命名者については、お館様がつけた幼名をそのまま使っているのではないかと予想しています。
FB2で明かされたとおり
不死川さんは字は読めるけど書けない
(公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』)
とされていますし、おそらく同じ環境で育った玄弥くんも、幼いころから文字に親しむ余裕はなかったはず。
そう考えると、玄弥くん自身が「榛」と命名したというよりは、お館様から与えられた名前をそのまま名乗っていると考えるほうが自然ではないでしょうか。
06: 寛三郎(冨岡義勇)

- 名前:寛三郎(かんざぶろう)
- 性別:オス
- 声優:山路和弘さん(出典:制作回顧録)
- 隊士:冨岡義勇
- 由来:「寛」の意味(ゆるす)★
- 命名者:前の隊士★
寛三郎は水柱である冨岡義勇の鎹鴉です。
原作1巻の第3話「必ず戻る夜明けまでには」の1コマ目で、鎹鴉が手紙を運んでいますね。
これは義勇さんが鱗滝さんに「炭治郎を育ててほしい」と依頼する手紙なので、義勇さんの鎹鴉・寛三郎だと考えられます。
つまり原作ではじめて登場した鎹鴉が寛三郎だったってことですよね!
また、寛三郎は作中で高齢であると明記されています。
結構おじいちゃんなので伝達を聞き間違えたり、戦闘中にトコトコ出てきたりして義勇をハラハラさせる。
(『鬼滅の刃』17巻余白ページより)
無限城編(猗窩座戦)の途中でも、ヨボヨボしながら
指令ジャ…
(『鬼滅の刃』17巻余白ページより)
と戦闘中に出ていこうとしており、それを炭治郎の鴉・天王寺松右衛門が
オイッ、危ネェゾ!!指令ジャネェ!!
(『鬼滅の刃』17巻余白ページより)
と引き留めています(笑)
炭治郎の頭に乗って
義勇…大丈夫カ…
(『鬼滅の刃』20巻余白ページより)
とスリスリしているところを見ると、目も相当悪いのでしょう。
鎹鴉としては引退していてもおかしくないほど高齢だと思われます…
普段、あまり物事に動じない義勇さんですが、寛三郎が戦闘中に出てくるとハラハラしちゃうみたいなので、やっぱり相棒として彼のことを大事にしているんだと思います。
野生カラスの寿命は7~8年といわれていますが、鎹鴉は生育状況が良いはずなので、20年生きると仮定します。
すると鎹鴉の年齢は、ざっくり以下のような感じでしょうか?
- 3~10歳:現役
- 11~15歳:中高年
- 15歳~:高齢
もしかすると、寛三郎は15歳を超えているのかもしれませんね。
義勇は現在21歳で、最終選別を突破したのは13歳。
つまり寛三郎と出会ってから約8年が経過しています。
仮に寛三郎が15歳だとすると、7歳頃に義勇付きの鎹鴉になった計算になります。
つまり、寛三郎にとって義勇は「はじめてついた隊士ではない」可能性が浮上するのです。
ワニ先生はわざわざ、
ついていた隊士が亡くなった場合、前の隊士がつけてくれた名前を尊重する
(公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』)
と書いていますから、寛三郎については義勇ではなく、前の隊士が名付けてくれた名前説を私は採用したいです。
ちなみに寛三郎に使われている「寛」には
・態度がゆるやかである。気持ちにゆとりがある。心が広い。「寛闊・寛大」
・ゆるやか。厳しくない。許す。「寛恕(かんじょ)・寛刑・寛厳・寛容」
・くつろぐ。ゆったりとしているさま。のんびりとする。からだを休める。(出典:モジナビさま)
という意味があります。
このなかで私は2つめの意味「許す」をピックアップしました。
義勇さんの人生は
- 姉に庇われ自分だけが生きた罪悪感
- 錆兎に庇われ自分だけが生きた罪悪感
- 最後まで生きてしまった罪悪感
この3つを「ゆるす」ことが求められています。
3つを許して生きる──それが寛三郎という名前とリンクしているように感じるのです。
07: 艶(胡蝶しのぶ)

- 名前:艶(えん)
- 性別:メス
- 声優:ー
- 隊士:胡蝶しのぶ
- 由来:あでやかで美しい★
- 命名者:お館様★
艶は蟲柱である胡蝶しのぶの鎹鴉です。
原作での初登場は、蝶屋敷の診察室でしのぶが炭治郎を診察している場面です。
日の呼吸について煉獄さんに尋ねてみては?
と助言したあと、
鴉にお願いしましょう。返事が来るまで少しかかりますが
(『鬼滅の刃』7巻53話「君は」より)
と話しているときに、窓枠に乗っているのが「艶」です。
FB2にも以下のように記載されているため、艶であることは間違いなさそうです。
竈門隊士と炎柱を繋ぐ際に伝令役を務めた。
(公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』)
一方、アニメでは「鴉にお願いしましょう」のセリフが割愛されており、声優さんもあてがわれていません。
そして、次に登場したのは無限列車編。
煉獄さんの訃報をしのぶさんに伝えたときです。
このときも声はなく、無限城編(映画)でも登場はなかったので、今後、声を聴くことはかなわないでしょう。
さて「艶」という漢字ですが、「あでやかで美しい」という意味を持っています。
単純に考えると、しのぶさんの色っぽさや、蝶のように美しく舞う姿があでやかであることを意味しています。
一方、この漢字を構成する字は「豊」と「色」です。
色には「容姿」という意味があり、ここから「容貌が美しい」という意味になりますね!
善逸がしのぶさんのことを
めちゃくちゃ可愛いんだよ 顔だけで飯食っていけそう
(『鬼滅の刃』6巻49話「機能回復訓練・前編」より)
と絶賛するほどですからねぇ(笑)
鎹鴉にこの名前をつけるのは納得しかない!
ただし、ここで終わらないのが胡蝶しのぶオタク(自称)。
もう少し意味を加えて解説したい(笑)
さきほどは「容姿」と意味づけた「色」を「顔色」と捉えることはできないでしょうか?
しのぶさんは藤の花から精製した毒を一年以上にわたって飲み続けていました。
そのせいで義勇さんにすら
顔色が悪いことがある
(公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』)
と感じさせるほど、顔色がよくなかったそうです。
つまり「顔色がゆたか(血色がいい)」とは真反対の状態だったんですね。
藤の毒を飲み続け、お世辞にも健康とは言えないしのぶさん。
そんな彼女に仕える鎹鴉には、あえて「血色がよく美しい」ことを思わせる「艶」という名を与え、「健康で美しくあってほしい」という願いを込めたのかもしれません。
ちなみにこの艶ですが、お館様が命名したと考えられます。
え、理由?
だって、しのぶさん…金魚にフグって名づけるくらい、ネーミングセンスないんですよ?
艶だなんて綺麗な名前、つけるわけないじゃないですか(笑)
つけるとしたら蛸江(たこえ)ですよ(笑)(前科あり)
08: 要(煉獄杏寿郎)

- 名前:要(かなめ)
- 性別:オス
- 声優:千葉進歩さん
- 隊士:煉獄杏寿郎
- 由来:重要な相棒/重要人物★
- 命名者:煉獄杏寿郎★
要は炎柱である煉獄杏寿郎の鎹鴉です。
原作・第66話「黎明に散る」の扉絵では、肩に乗った要をやさしく見つめる煉獄さんの姿が描かれています。
煉獄さんが要をとても大事にしていたことがわかりますね!
煉獄さんと要の「関係のよさ」を原作から感じ取ったのか、ufotableが映画のなかで粋な「はからい」をしてくれています。
それが、訃報を伝える際に涙を浮かべていたことです。
この演出を見て、煉獄さんと要は、ほかの隊士とは段違いに深い関係を築いていたのだと感じました。
アニメ1話で「杏寿郎さま」と呼ぶ姿を見て、
要はもともと、父・槇寿郎さんの鴉だったのでは?
とも考えたのですが…
寛三郎ほど高齢であるとは考えにくく、やはり杏寿郎がはじめて担当した鴉だとするのが妥当かな、と思います。
ではなぜ「杏寿郎さま」呼びだったのでしょうか?
これはおそらく、煉獄家が代々「炎柱」を輩出する由緒ある家系だからでしょう。
先輩鴉からも、槇寿郎さんの炎柱としての活躍を聞かされており、煉獄家そのものに敬意をはらっていたのだと思います。
母・瑠火さんがなくなり、失意のままに生きる希望を失った父。
そんな父の後姿を見ながら、それでも「炎柱の家系に生まれたもの」としての矜持を失わず、必死に鍛錬して柱となった杏寿郎。
その見事な最期を、要はどんな思いで見届けていたのでしょうか?
ここでは「煉獄さんが要にとってはじめての隊士」という前提で考えます。
いずれ自分が炎柱となる──
煉獄さんはそんな定めを持って生まれてきているので、鴉の名前にも箔をつけてあげたいと考えたに違いありません。
そこで、炎柱となる自分の「重要な相棒」という意味で「要」としたのではないでしょうか?
そしてもう一点、私が考えているのは煉獄さんが『鬼滅の刃』という物語の大切なポイントをなす人物である、ということ。
当代柱のなかで、はじめて上弦の鬼と闘った煉獄さんという存在が
- 炭治郎たちの能力を飛躍的に進歩させる「要」
- お館様や柱たちの士気をあげる「要」
- 鬼舞辻無惨という鬼の一端をつかんだ「要」
である、という意味にも取れるのではないでしょうか?
09: 虹丸(宇髄天元)

- 名前:虹丸(にじまる)
- 性別:オス
- 声優:ー
- 隊士:宇髄天元
- 由来:虹★
- 命名者:宇髄天元★
虹丸は音柱である宇髄天元の鎹鴉です。
原作本編では未登場。
アニメでは無限列車編の最後、煉獄さんの訃報を伝える際に登場しています。
原作10巻の余白ページには、
宇髄さんのカラスは超オシャレ。カラス界のファッションリーダーらしいよ。
(『鬼滅の刃』10巻の余白ページより)
と描かれており、天元様と同じように宝石で着飾っています。
鎹鴉も本当に個性豊かですよね(笑)
やっぱり動物って飼い主に似るのかなぁ?
ただし、原作本編で彼のことは詳細に描かれていないため、声の出演は今後もないと考えられます。
「虹」は「虫」と「工」のふたつから成り立つ漢字です。
古代中国で虹は、竜になる予定の大蛇が大空を突き抜けることで出来上がると信じられていました。
そのため、古代中国で蛇を表す「虫」と、貫くことを意味する「工」を組み合わせることで「虹」という漢字ができました。
(出典:トモニテさま)
七色で構成される「見た目の派手さ」もさることながら、「空を突き抜ける」という壮大なお話に心を揺さぶられたとしたら…天元様が虹を選んだのも納得ですよね(笑)
天元様の身につけている宝石も角度によっては七色に光りますし、そのあたりも考慮して名前を付けたのではないかと考えられます。
…と、ここまでは漢字から読み取った、名前の由来についてのお話でした。
ここからはさらに深掘りしてみます。
実は虹は、太陽とは真逆の位置にあらわれる現象です。
真逆の位置には「対日点」と呼ばれるものがあり、そこを中心にして虹の輪があらわれます。
正確には以下のとおりです。
太陽と観察者を結んだ線の延長方向のことを「対日点」という(観察者の影の方向上の点)。虹の弧の中心は、必ず対日点である。
(出典:価格.comマガジンさま)
つまり強い光を放つ太陽ではなく、「自分の影の先」に虹が存在するということ。
これを踏まえると
自分は陰ひなたに生きる人間である
という意味にもとらえることができます。
天元様はもともと忍の家系に生まれました。
誰かのために別の誰かをあやめる──
そんな過酷な世界で生きてきました。
家業を継ぐために(知らなかったとはいえ)弟妹を殺した経験もあります。
鬼殺隊に入ったあとは多くの人を救ってきましたが、それでも自分は太陽の下を堂々と歩ける人間ではないと感じていたはずです。
けれど虹は、自らの影の先にありながら、鮮やかに輝く存在。
自分もまた、「虹のように誇らしく輝いていたい」──そういった思いが虹丸という名前にこめられているのではないでしょうか?
そして虹は丸いものです。
地平線に隠れて全貌を見ることができないだけで、立つ位置を変えると円形に見えるんです。
いつか戦闘という現場をはなれ、嫁3人と穏やかに暮らし、完璧な円形の虹を見る──
こんな意味も込められているのだとしたら、泣いてしまいますね…。
10: 銀子(時透無一郎)

- 名前:銀子(ぎんこ)
- 性別:メス
- 声優:釘宮理恵さん
- 隊士:時透無一郎
- 由来:銀の熱伝導率、2番目★
- 命名者:お館様★
銀子は霞柱である時透無一郎の鎹鴉です。
- 男性隊士の鎹鴉→オス
- 女性隊士の鎹鴉→メス
と性別をそろえるのが大多数のなか、唯一、男性隊士についたメスの鎹鴉です。
そのせいなのか、無一郎くんのことを溺愛しています。
たぶん自分の子どもだと思ってるんだろうな(笑)
バッサバサのまつ毛と、口の悪さが特徴。
他の鎹鴉たちとは仲が悪い
(公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』)
と明記されており、炭治郎の鎹鴉・天王寺松右衛門とは顔を合わせるたびにケンカしています。
本格的な登場は刀鍛冶の里編で、
アノ子ハ「日ノ呼吸」ノ使イ手ノ子孫ダカラネ!
(『鬼滅の刃』12巻103話「縁壱零式」より)
と自信満々に言いながら、炭治郎の前に姿をあらわしました。
記憶のない無一郎くんは「悪意のない言葉」を使いますが、銀子ちゃんは普通に悪意があります(笑)
ただそれは、無一郎くんを溺愛すればこそ。
無限城で無一郎くんがピンチにおちいった際は、
助ケテェ!!誰カ助ケテェ!!
(『鬼滅の刃』19巻余白ページより)
と助けを呼ぶ必死な姿が見られました。
最終決戦後は無一郎くんを亡くし、意気消沈していましたが、なぐさめてくれた天王寺松右衛門と夫婦になったそうです。
「銀子」は一見、シンプルで無難な名前のように見えますよね。
しかし「銀」という漢字から、私は2つの仮説を導き出しました。
1つ目は、銀が熱伝導率最大の金属であること。
熱伝導率とは、材料が熱をどれだけ伝えやすいかを示す基本的な物性値です。値が大きいほど熱をよく伝え(放熱性が高い)、小さいほど熱を伝えにくく(断熱性が高い)なります。
(出典:meviyさま)
一般的に金属は熱伝導率の高い物質ですが、銀は金属のなかで最高の熱伝導率を誇ります。
これを無一郎くんに置き換えてみましょう。
彼は刀を持ってから2か月で柱になった天才と言われています。
つまり素早く剣技や呼吸を会得し、体に叩き込むことができました。
この立ち上がりの速さ…なんだか銀の熱伝導率の高さに似ていると思いませんか?
そして2つ目は金と銀が「セット」として用いられる頻度が高いこと。
1990年代に注目を浴びた「きんさん・ぎんさん」という双子のおばあさんを覚えている方も多いでしょう。
- お姉さんには「きん」
- 妹さんには「ぎん」
と、生まれた順番を金と銀があらわしています。
またオリンピックなどの国際大会では、1位に金メダル、2位に銀メダルを授与されることが定石です。
このことから見ても、世間における金と銀は「セットもの」として扱われることが多いと言えますね。
これを時透ツインズにあてはめます。
するとあら不思議!
弟の無一郎くんには2番目の銀が鎹鴉の名前に使用されているのです。
有一郎くんが生きて鬼殺隊士になっていたら鎹鴉の名前は「金子」だったかも…
と妄想がはかどりますねぇ!(笑)
ちなみに無一郎くんが鬼殺隊士になった際は、記憶障害をわずらっていました。
そのため、お館様がつけてくれた幼名をそのまま使用していると考えるのが妥当だと思います。
11: 麗(甘露寺蜜璃)

- 名前:麗(うらら)
- 性別:メス
- 声優:堀江由衣さん
- 隊士:甘露寺蜜璃
- 由来:春の陽気★
- 命名者:お館様★
麗は恋柱である甘露寺蜜璃の鎹鴉です。
蜜璃ちゃんの鍔と同じような形の飾りをつけています(上記写真参照)。
銀子ちゃんと比べると、おっとりした性格が特徴です。
初登場は無限列車編で、煉獄さんの訃報を蜜璃ちゃんに伝えたとき。
その後、本格的に登場したのは刀鍛冶の里編です。
里が鬼に襲撃された際、蜜璃ちゃんと一緒に里へと向かっています。
この時点(原作)では首の飾りをつけていませんねぇ~
その後は柱稽古編で3回登場。
- 痣発言について説明を求められる場面(原作あり)
- 柱稽古中に蓄音機をまわしている場面(アニオリ)
- 小芭内に「甘露寺サマカラ、オ手紙デス」と告げる場面(アニオリ)
…と、銀子ちゃんと同じく汎用性の高い鎹鴉です。
FB2では以下のように記載されています。
恋柱とお茶をする機会も多いようで、甘党になったとの噂あり。
(公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』)
蜜璃ちゃんと仲良しなのが伝わってきますね!
「麗」の漢字には「うつくしい」や「うるわしい」といった意味があります。
しのぶさんの鎹鴉「艶」と似たイメージですよね!
ただし「麗」からは、春のあたたかな日差しをイメージすることができます。
蜜璃ちゃんは髪や目の色もあいまって「春の陽気」を彷彿とさせるキャラクターですから、この名前がついたものと思われます。
また「麗」という漢字の部首には「鹿」が使用されていますね。
上の部分は「丽」という字で、同じ形がふたつ連なっています。
どうやら「麗」という字は、
二頭の鹿が並んで歩く姿を表した
とも言われています。
実は、古代の和歌で「鹿」は秋を象徴するもの。
奥山に 紅葉踏みわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき
(『古今和歌集』巻四:秋上、出典:小倉山荘さま)
という歌に代表されるように、秋にはオスの鹿がメスの鹿を求めてさみしげに鳴くようすから「遠くにいる恋人を想う」表現に用いられます。
本来はオス鹿がメスを求めて鳴くものですが(笑)
連れ添う殿方を探し続けている蜜璃ちゃんにぴったりかも?
案外、恋人の候補は近くにいるんですけどねぇ…(チラッ)
ちなみに「麗」の命名者はお館様ではないかと考えています。
蜜璃ちゃんは自分でも命名できる教養が十二分にあると思いますが、
お館様がつけた名前なの!?さすがお館様、すっごく素敵~~~~!!よろしくね、麗♡
と全肯定してくれそうなので、命名者はお館様ということにしたいです(笑)
12: 夕庵(伊黒小芭内)

- 名前:夕庵(ゆうあん)
- 性別:オス
- 声優:ー
- 隊士:伊黒小芭内
- 由来:俳句の雅号★
- 命名者:伊黒小芭内★
夕庵は蛇柱である伊黒小芭内の鎹鴉です。
アニメ『無限城編第一章』まで、声の出演はありません。
夕庵の初登場は無限列車編。
小芭内が煉獄さんの訃報を聞いたとき、そばに控えています。
その後の原作(無限城編)では、戦況や赫刀についての情報を逐次伝えているようですが、その姿を見ることはできません。
しかも、蜜璃ちゃんの鴉のように飾りがついていないので、
小芭内の鴉だ!
と簡単に見分けがつきませんよねぇ。
よほどのこと(アニオリとか)がない限り、アニメで声を聴くことは叶わないと思っています。
実は「鎹鴉の記事を作ろう!」と思い立ったきっかけが、この夕庵くんです。
お館様が幼名をつけて、その後は隊士が命名する
というルールを知ったとき、「夕庵」があまりにも小芭内の特徴を詰め込んだ名前だったので、
これは鎹鴉の考察書ける!
という自信につながりました(笑)
というのも「庵」という漢字は、俳人や文人の「雅号」──つまり、ペンネームによく使われる文字なのです。
代表的なのが、松尾芭蕉の「芭蕉庵」。
俳句をたしなむ人物がペンネームとして「庵」を名乗ることは、古くからよくある文化なんです。
小芭内の趣味は川柳や俳句ですよね。
だから彼は鎹鴉に「庵」をつけたのです!
ちなみに「夕」という漢字から、私たちは「夕暮れ」や「夕焼け」を連想します。
この夕焼けなどは俳句の季語としても用いられるものですから、小芭内の風流な一面が感じ取れる名前なのです。
そういえば…ここまで読んでくださったみなさん、お気づきですか?
- 蜜璃ちゃんの解説に和歌
- 小芭内の解説に俳句・川柳
を取り入れてみたこと。
こう見ると、私の勝手な妄想にもかかわらず、鎹鴉の名前からおばみつを感じ取れますなぁ(笑)
13: 爽籟(不死川実弥)

- 名前:爽籟(そうらい)
- 性別:オス
- 声優:堀内賢雄さん
- 隊士:不死川実弥
- 由来:秋風のさわやかな音(季語)★
- 命名者:お館様★
爽籟は風柱である不死川実弥の鎹鴉です。
声の出演とともに、彼の姿を明確にとらえられるのは、原作16巻。
鬼舞辻無惨がお館様のもとへ襲撃した際、
緊急招集ーッ!! 緊急招集ーッ!!
産屋敷邸襲撃ッ…産屋敷邸襲撃ィ!!
(『鬼滅の刃』16巻第137話「不滅」より)
と、いの一番に登場したのが実弥の鎹鴉・爽籟です。
以降の原作では、目立った出番がないにもかかわらず、堀内賢雄というスーパーダンディボイスを、この一瞬のために使用するアニメスタッフ…
頭おかしいんじゃないですか?(褒め言葉)
ちなみに本当に短いセリフなんですが、賢雄さんは
僕も、セリフとしては一言だったんですが、(こういった役柄の中では)今までで一番時間がかかりました!何度もテイクを重ねたので、出来上がって反響を聞いて、“これは鴉を制したんじゃないか?!”と思いました
(出典:オリコンニュースさま)
とおっしゃっていて…やさしい!!
ぜひ、残りのアニメでも再登板をお願いしたいところです。
爽籟は「秋風のさわやかな音(響き)」をあらわす言葉です。
俳句や和歌などでは秋の季語として使用され、「秋風」と同じ意味を持っています。
秋になって吹く風。立秋のころ吹く秋風は秋の訪れを知らせる風である。秋の進行とともに風の吹き方も変化し、初秋には残暑をともなって吹き、しだいに爽やかになり、晩秋には冷気をともなって蕭条と吹く。
(出典:きごさいさま)
そもそも「籟」は物が擦れあうときの音をあらわしており、そこに「爽(さわやか)」という漢字が組み合わさっています。
「爽」という字だけを見ると、夏の青空に吹く風を思い浮かべますが、実際には「爽やか」も秋の季語なんですって!
知らなかった!!
つまり「爽籟」は完全に秋の言葉。
季節が秋に向かっていく、すこし物悲しい音のイメージだそうです。
荒々しさの奥にやさしさを隠した実弥の人物像とも、どこか重なるものがありますね。
照れながら背中を見せて去っていく後ろ姿…といった感じでしょうか?
そして命名者ですが、お館様としました。
その根拠として挙げられるのは、
不死川さんは字は読めるけど書けない
(公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』)
です。
幼いころから兄弟の面倒を見ており、文字に親しむ余裕はなかったものと思われます。
そんな彼の境遇を考えると、自分自身で鎹鴉に命名するとは思えないため、お館様から与えられた幼名を、そのまま使用していると考えました。
14: 絶佳(悲鳴嶼行冥)

- 名前:絶佳(ぜっか)
- 性別:オス
- 声優:ー
- 隊士:悲鳴嶼行冥
- 由来:風景が美しいこと★
- 命名者:悲鳴嶼行冥★
絶佳は岩柱である悲鳴嶼行冥の鎹鴉です。
アニメ『無限城編第一章』までは、声の出演がありません。
ただし、無限列車編で煉獄さんの訃報を伝達するために悲鳴嶼さん・玄弥くんの前に姿を現しています。
FB2では
変化する戦況を逐次岩柱に伝えていた
(公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』)
と書かれていますが、「絶佳である」と確実に言える鴉は登場しておらず、こちらもよほどのこと(アニオリ)がないかぎり、最後まで声の出演がないと思われます。
名前に使用されている「絶佳」には、以下のような意味があります。
風景がすぐれていて美しいこと。また、そのさま。
(出典:コトバンク様)
この意味をはじめて知ったとき、
この名前は悲鳴嶼さんがつけたんだろうなぁ…
と思いました。
というのも、悲鳴嶼さんは幼少期にかかった病気のせいで失明しています。
彼は想像を絶するような美しい風景を、実際に見ることはできません。
だからこそ「絶佳」という名前には悲鳴嶼さんの
極楽浄土のような美しい世界への憧れや願い
が込められているのではないでしょうか?
もしかすると絶佳に
南無…今年の桜はどうだ?きれいに咲いているのか?
と聞いていたりして。
絶佳はそんな悲鳴嶼さんに寄り添い、具体的に説明しているかもしれませんね!
15: お館様の鴉(産屋敷耀哉)

- 名前:ー
- 性別:オス
- 声優:速水奨さん
- 隊士:産屋敷耀哉
- 由来:ー
- 命名者:ー
原作16巻の表紙に登場しているのが、お館様の鎹鴉です。
原作・FB双方をチェックしましたが、名前は明らかにされていません。
首には上等な紫色の首飾りが巻かれており、一目見ただけで
格が違う
と感じさせる姿をしていますね。
また、原作15巻で初登場した彼は、誰よりも流ちょうな日本語を話しています。
ほかの鴉が
違ウ!ソコノ角ヲ右ダ!
(『鬼滅の刃』15巻132話「全力訓練」より)
のように、カタカナ表記を使うのに対し、お館様の鴉は
こんばんは珠世さん
物騒ですよ夜に窓を開け放っておくのは
(『鬼滅の刃』15巻131話「来訪者」より)
のように、カタコト感がまったくないのが特徴です。
生まれながらにして圧倒的な頭脳を持っていたのか、あるいは産屋敷家に仕える期間が長いからなのか──
いずれにしても、ほかの鴉にはマネできないレベルの、非常に優秀な鴉であることは間違いありません。
速水奨さんの低音ボイスがさらに、お館様の鴉のレベチ感を増幅させています(笑)
FB2によるとお館様は4歳で当主になっているようですから、23歳で亡くなるまで20年近く付き合いがあったかもしれませんね!
そう考えると、こちらの鴉さん…結構なお年なのかも!?
【鬼滅の刃】鎹鴉の名前一覧<編集後記>

『鬼滅の刃』に登場する鎹鴉は、それぞれに名前や個性が与えられています。
名前の由来や命名者を考察していくと、隊士との関係性や内面まで見えてくるのが面白いところですね!
今回ご紹介した鎹鴉たちは決して前に出る存在ではありません。
しかし、確実に鬼殺隊士たちを支え続けてきました。
その名前ひとつひとつに込められた意味を知ることで、物語の見え方も変わります。
ぜひお気に入りの鎹鴉を見つけて、原作やアニメを振り返ってみてくださいね!



